オリゴ糖は、腸内環境を整える働きを持った機能性成分です。ビフィズス菌を増やす、虫歯になりにくい、低エネルギーでダイエットに効果的などの機能性を持ち、甘味料として販売されていたり、菓子類に添加されたりしています。

オリゴとは「少ない」という意味で、小糖類、糖が2~10個つながったものをオリゴ糖と言います(3糖以上の説もある)。

本来は砂糖や乳糖なども含み、種類はいろいろあります。大きく分けると、小腸で吸収されてエネルギーとなる消化性オリゴ糖と、胃や小腸では消化されずに大腸まで届いてビフィズス菌のエサになる難消化性オリゴ糖がありますが、一般的には「難消化性オリゴ糖」を指します。

それでは、難消化性オリゴ糖の代表的な種類を説明しましょう。

ガラクトオリゴ糖
 乳糖を原料に作られ、「ガラクトース-ガラクトース-グルコース」の3糖がつながったもので、母乳にも含まれています。砂糖の25~35%の甘味度で、くせのない甘さ。熱や酸に強く、調理しても変化することが少ないため、ミネラルの吸収促進効果が期待できます。

フラクトオリゴ糖
 砂糖を原料に作られ、「グルコース-フルクトース-フルクトース」の3糖、またはそれにフルクトースがつながったものです。タマネギ、アスパラガス、ゴボウなどの野菜にも含まれており、甘味度は砂糖の約30~60%で砂糖に近い甘さ。ミネラルの吸収促進、中性脂肪値の低下作用が期待できます。

イソマルトオリゴ糖
 でんぷんを原料に作られ、グルコースが2糖以上、それにマルトースが加わった構造です。ハチミツ、みそ、しょうゆ、みりんなどに含まれ、甘味度は砂糖の40~50%。まろやかでコクのある甘味があります。熱や酸に強く、発酵もされにくい。ある程度消化管で消化されますが、デンプンよりも消化されにくく、免疫機能アップの効果があります。

キシロオリゴ糖
 キシランという食物繊維を原料に作られたもので、キシロースが主要構成成分です。タケノコやトウモロコシ、キノコなどにわずかに含まれ、甘味度は砂糖の約25~40%。熱や酸に強く、安定しているため消化されにくく、他のオリゴ糖よりも少量で効果が得られるといわれています。カルシウムの吸収促進効果があります。

大豆オリゴ糖
 大豆をタンパク質と脂質に分離することで作られる大豆ホエーから抽出して作られ、グルコース、フルクトース、ガラクトースからなる、ラフィノースとスタキオースというオリゴ糖が合わさったものです。豆腐や納豆に含まれており、甘味度は砂糖の約70~75%と高く、さわやかな甘さが特徴。ミネラル、特にカルシウムの吸収促進効果があります。

乳果オリゴ糖
 牛乳に含まれる乳糖と、サトウキビに含まれる砂糖から作られ、ラクトースにフルクトースがつながっている、もしくはグルコースが両端にガラクトースとフルクトースを結合した3糖です。ヨーグルトにごくわずかに含まれています。甘味度は砂糖の50~70%と高く、砂糖に似たクセのない甘さが特徴です。ミネラル、特にカルシウムの吸収促進効果があります。

ラフィノース(ビートオリゴ糖)
 てんさいや砂糖ダイコンを原料に作られ、フルクトース、ガラクトース、グルコースから構成されたものです。天然ではキャベツやアスパラガスに微量に含まれています。甘味度は砂糖の20~25%と低く、吸湿性が少ないことが特徴。免疫アップの効果が期待できます。

オリゴ糖のエネルギーは、1g当たり2~3kcalで、砂糖より低エネルギーですが、0kcalではありません。そのままでは水に溶けにくいものや吸湿性の高いものが多く、水あめなどを加えて売られているものがあります。購入する際は、含有量がどれくらいなのかを確認することをおすすめします。

【管理栄養士・今井久美】