体を大きくして競技成績を向上させることを目的に、毎日の食事を頑張って食べているアスリートがいる反面、審美系や階級別の競技で、体重コントロールに気を使っているアスリートもいます。極端な減量をしている時に陥りやすいのが、摂食障害です。

摂食障害は、神経性食欲不振症(神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)と神経性過食症(神経性大食症)の2つに大きく分けられます。

どちらも

(1)体重に対する過度のこだわりがある
(2)自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する

といった心理的要因に基づく食行動の障害です。原因は、社会・文化的、心理的、また生物学的な要因が複雑に関与しています。その結果、食行動の異常が形成されてしまうのです。

本人に自覚がない場合も多く、活動的で元気に見えるため、発見が遅れがちです。周囲の人が体形や行動の少しの変化に気づいてあげることが大切です。

原因の1つである日常生活のいろいろなストレスを上手に解決する力をつけること(ストレス・コーピング)が、この病気を治す上で重要なポイントです。完璧主義の人がなりやすいともいわれています。

もし、摂食障害かなと思ったら、食事の本来の目的を考えてみてください。生きるために食べることが、食事です。食事は楽しいもので、運動しておなかが空き、おいしく食べることに幸せを感じます。食事が負担に感じるようになった時は、それを思い出し、楽しく食べられることを優先してくださいね。

参照:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

【管理栄養士・今井久美】