今年の土用の丑(うし)の日は7月25日と8月6日。誰もが思い浮かべるのはウナギ。日本人にとってなじみの深いウナギについて調べてみた。

<ウナギアラカルト>

ニホンウナギ
 世界には19種類のウナギがおり、東アジアで食べられているのはニホンウナギ。ただ、生態は不明な点が多く、5~15年間河川や河口域で生活した後、海へ下り、日本から2000キロ離れたマリアナ諸島付近の海域で産卵することが最近、分かった。

土用の丑の日といえば、誰もが思い浮かべるウナギの蒲焼き
土用の丑の日といえば、誰もが思い浮かべるウナギの蒲焼き

日本人とウナギ
 縄文時代の貝塚からウナギの骨が発見され、昔から食されていた。蒲焼きは日本独自の調理法で江戸時代に誕生した。

養殖
 ニホンウナギの生産量の99%が養殖。シラスウナギ(稚魚)を取り、養殖する。卵をふ化させる完全養殖は現在ではほぼ困難とされる。養殖は明治12年に東京・深川で始まり、その後明治30年ごろから浜名湖、東海地方に広がり、昭和40年代には、四国や九州でも行われるようになった。現在の養殖生産量1位は鹿児島県でシェア39%、2位愛知県28%、3位宮崎県18%、4位の静岡県は8%。

消費大国
 ウナギの国内供給量は85年から輸入の増加で増え続け、00年には16万トンに達しピークに。ヨーロッパウナギが輸入されたためだが、その後貿易取引の制限がなされ、近年の供給量は4万~5万トンで推移。15年の供給量は約5・1万トンで、輸入が3・1万トン、養殖が2万トン。

シラスウナギ
 採取量は75年以降低水準が続き、かつ減少基調にある。取引価格は高騰しており、03年は1キロあたり16万円だったが、08年は78万円、13年はピークで248万円まで跳ねあがった。翌14年は下がったが、15年174万円、16年182万円と高値止まり。稚魚が高いので、必然的に養殖のウナギも高値が続いている。

(2017年7月17日付日刊スポーツ紙面掲載)