ママ特派員の管理栄養士ひまわりさん(群馬県高崎市)による、子どもたちとの麺打ち初体験記です。
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 今回は、私の住む群馬県の郷土料理「おっきりこみ」作りに、子どもたち(小学2年生女子と4歳男子)と一緒に挑戦しました。

 「おっきりこみ」とは、幅広で平たい麺を具材と一緒に煮こみ、醤油や味噌で味付けをした麺料理。ひとつの鍋に麺、肉、野菜、キノコなどたくさんの具材が入った栄養満点のメニューです。普通のうどんと違う点は、①麺を打つ時に塩を加えないこと、②生地に加える水分量が少ないこと、③麺を下茹でしないこと。打ち粉でトロみがつき汁を冷めにくくするので、寒い時期に適した料理です。

麺が太いのが特長、群馬の郷土料理「おっきりこみ」
麺が太いのが特長、群馬の郷土料理「おっきりこみ」

 麺の生地をまとめる作業はコツがいるので、麺踏みと麺のばしを子どもたちと一緒にやってみました。

 「うわー、気持ちいい!」と息子。「粘土みたいー」と娘。生地を踏んだ触感が新鮮なのと、食べ物を踏む感覚が不思議なのとで、かなり興奮気味です。

慎重に麺を踏んでいく息子
慎重に麺を踏んでいく息子

 「麺がどんどんのびていくねー! 楽しい!」と面白がる娘。

麺棒を使って上手に生地をのばしていきます
麺棒を使って上手に生地をのばしていきます

 普段あまり使うことがない大きな鍋にも興味津々。「この中に入っている豚肉も、ネギも、シイタケも、ニンジン以外はすべて群馬県で取れたものなんだよ」と説明しながら具材を煮込んでいきます。

大鍋でたくさんの野菜と一緒に煮込みました
大鍋でたくさんの野菜と一緒に煮込みました

 自分自身で作れたことが楽しかったようで、ペロリと完食しました。

 「おっきりこみ」の麺は太くても形が不揃いでもOK。「自分たちで作った」という達成感や、作る楽しさを実感して欲しいと思っています。今回は、自分たちが産まれ育った土地の郷土料理や名産なども伝えることができました。これからも子どもたちに体験させながら、食の楽しさなどを伝えていきたいと思っています。

 みなさんも、この冬休みはお子さまと一緒に地元の郷土料理作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

<群馬県の郷土料理 おっきりこみ>
調理時間:20分+製麺時間30分+生地を寝かせる時間
材料(4人分・大鍋1杯分)
*[麺]*
うどん粉(中力粉)…400g
水…200cc
打ち粉…適量
*[具材+だし]*
豚肉…180g
油揚げ…1枚
ニンジン…1/2本
大根…3cm
白菜…1/4株
長ネギ…1/2本
里芋…2個
シイタケ…4枚
醤油…大さじ3
味噌…大さじ3
だし汁…2.5L

作り方
*[麺]*
①大きめのボウルに分量の粉を入れる。粉全体に半量の水を回しかけ、そぼろ状にする。全体が混ざったら、残りの水も加えてさらに混ぜる。
②①に体重をかけ押しつけるようにまとめていく。耳たぶよりやや固めになるまでこねたら、丸くまとめる。
③②を大きめのポリ袋に入れて手でのばし、足で踏む。平らになったら生地を三つ折りにして再び足で踏む。この作業を3~4回(10分程度)繰り返す。
④生地を両手で中心に押し込むように包みこみ、まとめた口を下にして円型にして丸める。これをボウルに入れて濡れ布巾をかけ30分程度寝かせる(またはポリ袋に入れて、空気を抜いて寝かせる)。
⑤④の両面に打ち粉をして平らにのばし、麺棒で3mmの厚さに伸ばす。屏風のようにたたみ1cm幅に切る。打ち粉をふり、麺をバラバラにほぐす。
※家庭用の小さいまな板を使って切る場合は、④の工程で生地を2つに分けてのばすと作業しやすいです。
*[仕上げ]*
①ニンジン、大根はいちょう切り、白菜はざく切り、長ネギは斜め切り、シイタケは薄切り、油揚げは短冊切り、豚肉と里芋は食べやすい大きさに切る。
②大きめの鍋にだし汁を入れ、煮えにくい具材から入れる。最後に里芋を入れ、ぬめりが出てきたら醤油を入れて煮る。
③具材が煮えたら、麺を入れてかき混ぜながら10分くらい煮込み、味噌と醤油で整える。

管理栄養士ひまわり(群馬県高崎市)

管理栄養士、日本スポーツ栄養学会所属。
子どもの食に関わる仕事をしています。
小学2年生女子と4歳男子のママ。