「漢方はドーピングになるの?」

サプリメントやドーピングの話をしていた時の生徒の言葉です。漢方薬はドーピングの禁止物質が入っていないと思っていたようです。

禁止物質と言えば、男性ホルモンや筋肉増強剤、ステロイドといったものが思い浮かぶかもしれませんが、病院での処方薬や、薬局、ドラッグストアでの薬品にも含まれていることが多いので注意が必要です。また、サプリメントに含まれていることもあります。

アスリートである以上、「びっくり」「うっかり」では済まされません。ドーピング禁止物質についていきましょう。

禁止物質や禁止方法は世界アンチドーピング機構(WADA)の禁止表に定められています。禁止表は最低でも1年に1度、1月1日に更新され、原則として12月31日まで有効です。そのため、毎年、変更点などを確認する必要があります。その年の途中でも変更されることもあるので、都度、最新版を確認する必要があります。

禁止物質に注意を必要とする薬

特に注意が必要な薬は以下の通りです。

風邪薬、咳止め
アレルギー、花粉症の薬
喘息治療薬
無月経、子宮内膜症の薬
胃薬
体毛を濃くする薬
漢方

漢方も入っていますね。漢方は自然由来なので、安全と思う方も多いのですが、麻黄やホミカ、カイクジン、ジャコウなど、明らかに禁止物質が入っているものもあります。麻黄には禁止物質のエフェドリン類の成分が含まれおり、風邪薬の葛根湯や鼻炎薬の小青竜湯に入っていますので、使用することはできません。

禁止物質の入っていない漢方は大丈夫かというと、そうでもありません。その漢方に含まれる主成分の薬効はわかっていても、すべての成分が明らかになっているわけではなく、禁止物質を含まないと保証することは誰にもできないからです。

ドーピング検査の対象、対象外ではなく、アスリートであれば、薬やサプリメントを使用する際は最新の注意を図りましょう。国民スポーツ大会の参加者はドーピング研修が必須となっています。国スポに出場する、しないではなく、アスリートとしてフェアに闘うための知識を有しておくことが必要となります。

今回は、「豆腐と白菜のトロトロ煮」を紹介します。段々と寒くなり、温かいメニューが恋しくなってきましたね。豆腐と鶏ひき肉、野菜たっぷりで体が温まります。

管理栄養士・舘川美貴子