「幼稚園でのサッカースクールが始まり、スクールの日はおなかを空かせて帰ってくるの。食欲もあってたくさん食べさせたいけど、食べすぎて夕食が食べられなくなっても困るし、お菓子ばかりでも栄養が偏るし、どんなものがよいかしら?」

幼稚園に通うお孫さんをもつ方からの相談です。留守を預かると何を食べさせようか悩みますね。

甘いお菓子よりも体の材料になるもの

小さな子どもはおなかを空かせて家に帰ってくると、夢中になってたくさん食べてしまい、夕食を食べられなくなってしまうことも。また、おやつだからと、つい甘いお菓子を選びがちですが、しっかり栄養のある体の材料になるものを選びましょう。

おやつは1回の食事で食べられる量が少ない子どもにとって、不足する分の栄養を補う機会にもなります。そう考えると、おやつにはどのようなものが良いのか、イメージしやすくなります。次に挙げる「おやつ選びのポイント」や「おすすめの食品」を参考にしてください。

おやつ選びのポイント

(1)子どもの成長や体づくりに大切な「タンパク質」
(2)エネルギー源の確保として「糖質」
(3)意識しないととれない栄養素「カルシウム」
(4)夕食に響かない量。カステラ1切れ、牛乳コップ1杯など

おやつにおすすめの食品

おにぎり
ご飯で糖質(炭水化物)、具にサケや枝豆などを入れるとタンパク質が一緒にとれます。ヨーグルトやゆで卵なども合わせると、栄養バランスが良くなります。

ミニサンドイッチ
パンで糖質、卵、ハム、ツナなどの具にするとタンパク質も一緒にとれます。

カステラ
卵・砂糖・小麦粉が主な材料のため、糖質やタンパク質がとれます。

和菓子(団子や大福など)
クッキーやケーキのような洋菓子と比べて低脂肪なので、夕食が食べられなくなることも少ないでしょう。

ヨーグルト、牛乳、チーズ
これらは良質なタンパク質とカルシウムがとれる食品です。ヨーグルトは、フルーツを加えると糖質やビタミンCも一緒にとれます。牛乳はシリアルと一緒にとると、糖質、食物繊維、鉄なども摂取できます。チーズはそのままでも食べられますし、チーズトーストにしたり、ハムなどを加えてピザトーストにしたりすることもできますね。

小魚
学校給食でおなじみの「アーモンドフィッシュ」のような食品は魚を骨ごと食べるため、タンパク質だけでなくカルシウムも多くとることができます。アーモンドは抗酸化作用のあるビタミンEやマグネシウムなどのミネラルも豊富です。硬いのでよく噛んで食べることになり、食べ応えがあり、肥満にもなりにくくなります。

ゆで卵
卵は良質なタンパク質に加えて、ビタミン類も多い栄養価の高い食品です。手軽に食べられるのも良い点です。

果物
バナナやオレンジ、キウイなど、皮をむくだけで食べられるものがたくさんあります。糖質、ビタミンCやカリウムなどの栄養素のほか水分も取れるため、夏の水分補給にもなります。

1度にたくさんの量を食べられない子どもは、回数を分けて食事をし、栄養をとっていくことも大切になります。おやつはそのために利用するもので、補食の考え方と同じです。

そこで何を選ぶのかは、食の自立や味覚の形成においても重要です。おなかを満たすことも大切ですが、それが体の材料になるということも忘れずに、食べ物を選びましょう。

今回は、「電子レンジで作るプリン」を紹介します。「プリン作りは難しそう…」と思っている方もいるかもしれませんが、卵、牛乳、砂糖を混ぜて、漉して固めるだけと簡単です。

電子レンジから取り出した直後は、表面がゆるゆるの半熟状。アルミホイルかラップをかぶせ、タオルなどで包んで30分ほど置くと、余熱で固まります
電子レンジから取り出した直後は、表面がゆるゆるの半熟状。アルミホイルかラップをかぶせ、タオルなどで包んで30分ほど置くと、余熱で固まります

食事がのどを通りづらい時でもプリンなら食べやすく、エネルギーのほかタンパク質やカルシウムもとることができます。てんさい糖を使用しているので、素朴な味に仕上がります。おやつにも最適ですので、ぜひ作ってみてください。

管理栄養士・舘川美貴子