1人暮らしの大学生も新生活に慣れたでしょうか。慣れた頃には緊張も少し溶けてくるので、食事に対する意識がおろそかになりがちです。

「最初はちゃんと食事を作っていましたが、毎日、ハムエッグにも飽きてきました。朝食がなかなか進みません」。毎日同じメニューでは食事が進まなくなったようです。できれば10分ぐらいで作れるメニューが欲しいと、報告が届きました。

起床時間が遅くなると朝食が乱れてきます。朝食にご飯とふりかけ、トーストだけではなく、しっかりとタンパク質や野菜を含んだ食事を整えるよう努力をしてみましょう。

1食で6品整わなければ次の食事で

バランスの良い食事の基本としては、「主食」「主菜」「副菜(2品、汁物可)」「乳製品」「果物」と、6品を揃えるよう推奨されています。ただ、1人暮らしの朝食では、ここまで揃えるのが難しいかもしれません。1品揃わなければ、次の食事や補食を利用しながら、1日トータルで考えていきましょう。

例えば、前日の夕食に作ったカレーが余って、朝食にする場合、カレーライスは主食と主菜の2品となるので、残りの4品を揃えればいいのです。このように、1つのお皿に主食、主菜や副菜をまとめてもOK。アレンジしてもいいのです。

あまり難しく考えず、足りないものは何かを考え、その足りないものを補足するために、簡単に用意できるものや作り置きできるもの、冷凍食品などの活用を考えてみましょう。

今回紹介する「さつま揚げの卵とじ丼」を朝食にした場合、主食と主菜が揃います。副食は冷凍ホウレン草を電子レンジでチンしたおひたし。乳製品にヨーグルト、果物にオレンジとすれば、簡単に5品が揃います。不足したもう1品副菜は、学校に行って少しおなかが空いたときに野菜ジュースを飲むといったように、その日の後の食事や間食を使って補給するように考えてみましょう。

ネギやニンジンなどの野菜はカットして保存しておくこともできます。キノコもカットして冷凍しておくと便利です。余ったさつま揚げは、焼いても煮てもおいしく食べられます。食事作りは毎日続きます。苦しくならない食事作りを意識してください。

管理栄養士・舘川美貴子