2018年度の高校ハンドボールで、春の選抜、インターハイ、国体と「高校3冠」を達成した富山県代表の氷見。3年生は間もなく卒業ですが、先日、自炊ができるようと調理実習を行いました。進学先によって、春から1人暮らし、寮生活と生活スタイルは違いますが、最低限、「ご飯が炊ける」「だしをとれる」「包丁を使える」「野菜を切ることができる」を目標に取り組みました。

この日の献立は
サンマかば焼き缶の炊き込みご飯
マカロニグラタン
ジャガイモのみそ汁

この日の献立は、サンマかば焼き缶の炊き込みご飯、マカロニグラタン、ジャガイモのみそ汁
この日の献立は、サンマかば焼き缶の炊き込みご飯、マカロニグラタン、ジャガイモのみそ汁

だしを取ったことのない選手多数

マカロニグラタンはスタッフの希望によるもので、ほとんどの選手がマカロニグラタンを手作りしたことがありませんでした。また、ほとんどの選手がだしを取ったことがありませんでした。みそ汁の具は、選手たちの希望でジャガイモとネギ。最近はイモ類の摂取が少ないと言われていますが、そのイモ類を選択していました。

40人分買い出しからスタート

まずは、近くのスーパーでの買い出しです。野菜の産地、価格の選択、新鮮な野菜の見分け方などを確認し、40人分の食材を購入しました。

調理の最初はだし作りです。みそ汁、炊き込みご飯用にカツオと昆布の1番だしをとり、とってすぐのだしの味を確かめました。「おいしい」という声が多く、「意外に簡単」との感想もありました。そもそも「だしをとることは難しい」と思っていたようでした。

次は、「サンマのかば焼き缶の炊き込みご飯」です。炊飯器にニンジン、キノコ類、かば焼き缶、だし、調味料を入れて炊くだけ。簡単な作業でしたが、キノコが柔らかいため、包丁で切るのに苦労する選手もいました。出来上がりは、非常に柔らかく食べられます。

炊飯器に材料や調味料を入れて炊くだけ。「サンマのかば焼き缶の炊き込みご飯」は自炊生活でも役に立つはず
炊飯器に材料や調味料を入れて炊くだけ。「サンマのかば焼き缶の炊き込みご飯」は自炊生活でも役に立つはず

ホワイトソースの材料、分量に驚き

マカロニグラタンはバター、小麦粉、牛乳からホワイトソースを作ることから始めました。使用するバターの多さに驚いている様子でした。また、ホワイトソースを焦がさず、だまを作らず、仕上げることがとても難しい作業だと理解したようです。

グラタンを作る選手たち
グラタンを作る選手たち

ホワイトソースがあれば、グラタン、パスタ、ドリアなどが作れ、さらにクリーム煮、シチューにもリメイクでき、さまざまな料理に展開できることも伝えました。40人分と大量にも関わらず、非常にきれいなホワイトソースができました。誰もやけどや手を切ることなく、無事に調理終了。その後、1、2年生も一緒に盛り付けし、スタッフ、先生方と一緒においしくいただきました。

焦がさず、だまにせず、非常にきれいなホワイトソースでグラタンができました
焦がさず、だまにせず、非常にきれいなホワイトソースでグラタンができました

最後は全員で片付けをして終了です。選手たちは手際よく食器を洗い、机などを片付けていました。普段やったことない炊飯器やオーブンの掃除もしっかり行いました。

おいしく作った料理を全部員で食事
おいしく作った料理を全部員で食事

このように調理実習ができる環境は非常に素晴らしいことです。学校の理解や協力がないとなかなか実行することができません。快く調理室を使用させていただきました氷見の学校職員の皆様に本当に感謝しております。

新天地に飛び立つ選手たちへ

4月から選手たちは、ハンドボールだけではなく、1人での生活、学業を両立させていかなければなりません。調理はとても大変な作業になりますが、今までやってきたことを忘れず、いつ何を食べるのか、何のために食べるのかをしっかりと考えて、食事の選択ができるとよいと感じています。体は食べ物からできています。体は正直です。

管理栄養士・舘川美貴子