高校1年生を対象としたある食事調査があります。主食、副菜、果実は9割が不足、菓子・嗜好品飲料は5割以上が過剰という結果でした。朝食を毎日食べない学生は約3割で、朝食を欠食する頻度が高いほど、菓子・嗜好飲料・砂糖の摂取量が増え、タンパク質の摂取量が少なくなる傾向も見られました。

これらに該当する方は、「疲れやすい」「集中力が続かない」「午前中の授業中を起きているのがつらい」といったことはありませんか? また、朝食の欠食が続いていると、体温が低くなっている可能性もあります。

アレルギー助長、冷え症など不調に

アレルギー疾患をもつ学生は「朝食欠食→菓子や砂糖を多めに摂取+タンパク質摂取少なめ+低体温」というスパイラルに陥り、アレルギー症状が助長されることにつながります。アレルギー体質の方ではなくても、冷え性などの不調が助長されやすくなります。

さらに上記に当てはまる方は、魚の摂取量も少ないのではないかと思います。以前からお話しているように、主菜が肉ばかりだと、魚に多く含まれる栄養素は摂れません。意識しなければ、EPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3系の脂の摂取が少なくなると考えられます。

EPAで持久力アップ、うつ改善

抗炎症作用のあるEPAは血管や赤血球を柔らかくし、酸素を隅々まで届けるため、持久力の底上げにつながるという報告があります。また、EPAはうつの改善にも働きかけるという報告もあり、心のサポートにも作用します。

ただし、魚ばかりに偏ってしまうと、今度は魚に少なく、肉に多い栄養素の摂取が減ってしまい、栄養バランスが崩れることにつながります。アレルギーを持つ方は、アレルギー食材で不足しがちな栄養素も考慮しながら、バランスよく摂取するように努めましょう。魚アレルギーがあり、どの種類の魚も摂ることが難しい場合は、エゴマ油やシソ油などからオメガ3系の脂を摂りましょう。

魚苦手な人も食べやすいメカジキ

今回は、EPAを多く含むメカジキを使用した「メカジキの回鍋肉風」を紹介します。魚は独特のくさみや、骨が多くて食べにくいという声を必ず耳にしますが、メカジキは見た目も食感も魚らしくなく、鶏肉に間違えるほどなので、魚が苦手な方も食べやすいと思います。メカジキは切り身で売っているため、魚をさばく手間も省けることと思います。

キャベツ以外にも、粘膜強化のための抗酸化力の高い野菜を取り入れた回鍋肉風です。今回はお子様が食べやすいように辛味のある調味料を入れていませんが、アクセントとして少量のゆず胡椒を入れてもおいしく食べられるでしょう。

また、魚アレルギーの場合、魚のコラーゲンもアレルゲンになることがあります。食用ゼラチンの多くは牛骨由来ですが、表示を見て気になる場合は確認をしておきましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子