9月になりましたが、夏の疲れが蓄積して食欲がなかったり、室内外の温度差で体調を崩していたりすることはありませんか。そんな時には、食べやすいお茶漬けもおすすめのメニューです。

お茶漬けの香りや風味を楽しむために、ゴマをかけることがあるでしょう。しかし、「種子アレルギー」のある方は、ゴマを使えないケースが多いのです。

果実以外の植物の種子

ゴマアレルギーを聞いたことはあっても、「種子アレルギー」を初めて聞く方もいるでしょう。簡単に紹介します。

まず、種実類の中には、堅果類(ナッツ類)と種子類があります。種子類とは、果実以外の植物の種子で、ゴマ、松の実、亜麻仁(アマニ)、荏胡麻(エゴマ)、からし(マスタード)、ひまわりの種、カボチャの種などがあります。それ単体ではなくても、七味唐辛子、カレールウなどの調味料、ふりかけ、ドレッシング、ちゃんぽんスープ、パン、中華料理などに入っていることが多いのです。

ゴマ油などの油脂類については、精製度が高く、タンパク質がさほど残存していないために、使用できることが多いのですが、「種実類アレルギー」の方は、主治医に確認してから使いましょう。また、種実類のアレルギー特定原材料は表示義務対象食品ではないため、製造元や販売メーカーに確認しましょう。

お茶漬けに麦茶をかけることもありますが、麦茶はアレルギー症状を引き起こすタンパク質が少ないため、小麦アレルギーの方でも摂取できる方がほとんどです。ただ、小麦製品の除去をしている場合には、必ず主治医に確認してください。

今回の「ホタテと野菜のさっぱりお茶漬け」は、食欲がない時や補食におすすめの1品です。

ホタテにはタンパク質の合成に必要な亜鉛、造血に必要なビタミンB12が豊富に含まれています。今回は缶詰を利用しましたが、魚介類は自分で食べられる食材をストックしておくと便利です。

またこのレシピでは、ゴマアレルギーの方でも食べられるシソ科の荏胡麻(エゴマ)を使用しました。エゴマはカルシウム、鉄などのミネラルが含まれ、抗酸化力の高い食品の1つです。

食べやすいお茶漬けですが、飲み込むことはせず、よく噛んで食べましょう。消化器官が疲れている時に噛まずに食べると、逆に内臓に負担をかけ、消化が悪くなってしまいます。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子