今回は、女性アスリートの皆さんに向けたコラムです。

まず皆さんは、どのくらいの頻度で大豆製品を摂取しているでしょうか。日本人の食生活では過去約40年間、大豆・大豆製品の摂取量が減少し続けています。また、年齢別に見ると、15~19歳と20~29歳の1日の摂取量が他の年齢層よりも少ない傾向にあり、女子高校生を含めたジュニアアスリート世代の摂取量は低くなっています。

月経前症候群が疲労骨折の因子にも

日本人の女性アスリートを対象とした近年の調査において、「月経前症候群(注1)による練習や試合への障害がある」と答えた割合は約40%にも上りました。女子高校生の運動部員を対象とした調査では、月経前症候群による身体症状が、疲労骨折のリスク因子となるという報告も発表されているほど、月経に伴うコンディショニングに適切に対応する必要が重要といえます。

月経前症候群の対処には、薬物療法以外に、栄養、適度な運動、休養が挙げられ、そんな中、大豆に含まれる栄養成分と月経前症候群についての研究が、盛んになってきました。

大豆イソフラボンに含まれるエクオール(注2)という物質を体内で産生する力が弱いと、月経前症候群のリスクが上がるという報告があります。大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」に似た化学構造と働きをしており、植物性エストロゲンともいわれています。大豆製品をこまめに摂取すると、月経前症候群が緩和されるという調査報告も出ています。ただ、どのようにしたらエクオールの産生能力が上がるかという点については研究段階です。

国民健康づくり運動「健康日本21」でも、豆類を1日100g以上摂ることを推奨しています。主な大豆製品の大豆イソフラボンの量は下記の通り。1週間の献立の中で、豆類のメニューも適度に取り入れるように心がけましょう。

<主な大豆製品の大豆イソフラボンの量>
木綿豆腐(150g、1/2丁あたり)約60mg
納豆(45gあたり)約33mg
油揚げ(30gあたり)約12mg
豆乳(100mlあたり)約24.8mg

(参照=独立行政法人国民生活センター調査「豆腐の品質と衛生」2004年より、厚生労働省「食品中の植物エストロゲンに関する調査研究 1998年」より)

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