食物アレルギーの方々の相談を受けていると、週に1度は「牛乳アレルギーのため、カルシウムが摂れているか心配です」という悩みを聞きます。給食で同級生が牛乳を飲んでいる中で、自分の子どもがお茶を飲んでいると心配になりますよね。

 以前のコラムで「小松菜にカルシウムが多い」と書いたように、カルシウムは大根やカブをはじめとする冬野菜の葉の部分に多いほか、普段からよく食べてい野菜にも含まれています。

 それでは、どのくらい含まれているのか、代表的な葉物野菜、摂取頻度の多い野菜の含有量を見てみましょう。

カルシウム100mgにあたる割合

・普通牛乳(90㏄)
・大根葉(45g)
・カブ葉(40g)
・白菜(240g、約4枚)
・小松菜(70g)
・からしな(73g)
・ニンジン(380g、約中2本)
・水菜(50g)
・春菊(85g)
・タマネギ(480g、約2.5個)
・カボチャ(665g、約1/3個)

カルシウム含有量ランキング
(100gあたりの野菜。全て生の状態の数値で計算)

1位 大根葉(260mg)
2位 カブ葉(250mg)
3位 水菜(200mg)
4位 小松菜(170mg)
5位 からしな(140mg)
6位 春菊(120mg)
7位 白菜(43mg)
8位 ニンジン(28mg)
9位 タマネギ(21mg)
10位 カボチャ(15mg)
参考 普通牛乳(110mg)

 しかし、これらの野菜を毎日、これだけ調理するのは一苦労です。手軽に摂取するメニューの1つとして「ふりかけ」を提案します。

 ふりかけの歴史をたどると、大正初期に日本人のカルシウム摂取が少ないことを心配した薬剤師が、小魚などをそのまま乾燥させて粉末にし、調味料やゴマなどを加えて作ったところから始まったといわれています。その考えを今の世代にも引き継ぐ形で、「大根の葉とエゴマのカルシウム強化ふりかけ」を紹介します。

 今回は、ゴマの代わりにエゴマを入れています。ゴマと異なり、ぷちぷちした食感を楽しみながら、アレルギー対策を取り入れましょう。ご自身のアレルゲンではないお好みの食材を入れて、アレンジを楽しんでみてください。

 エゴマはあまり馴染みがない食品かと思います。初めて耳にする方は「花粉症対策はお早めに!エゴマ油の種子も効果あり」を参考にしてください。

 また、手作りふりかけを長く日持ちさせるためにも、ビンやプラスチックの保存容器に水分を入れないよう、完全に冷ましてから入れて、早めに食べるようにしましょう。

※含有量は日本食品標準成分表2015年版より

【管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子】