間もなくバレンタインデー。ここ数年は、女性から男性に感謝の気持ちを込めてお菓子を渡すイベントから、女友達や家族などに感謝を伝える日として変化してきているようですね。最近の小学生、中高生は、大勢のクラスメートにお菓子をせっせと作ることが多いとよく耳にします。

 ただ、このコラムを読んでいる皆さんの中にも、チョコレートの味がやや苦手という方、カカオ豆アレルギーの方もいることと思います。また、プレゼントしたい相手に甘いチョコレート菓子が苦手という方もいるでしょう。そんな方々へ、「キャロブパウダー」の利用を提案します。

 キャロブパウダーは、地中海沿岸原産のマメ科の植物、イナゴ豆を粉状にしたものです。味はココアパウダーに似ていますが、お湯に溶かしただけで自然な優しい甘さがあるのが特徴です。

 栄養価も、カルシウム、鉄、食物繊維などココアより豊かな成分もあります。カルシウムは100gあたりで見ると、小松菜やカブの葉よりも多く含まれています。一方で、脂質はココアパウダーよりも極めて低く、「ほとんどない」といっても過言ではありません。体を引き締めたい、カロリーを抑えながらココア風味のお菓子を食べたい方にとって、おすすめの製菓材料です。

イナゴ豆を粉状にしたキャロブパウダーを使った「米粉とバナナのキャロブパウンドケーキ」
イナゴ豆を粉状にしたキャロブパウダーを使った「米粉とバナナのキャロブパウンドケーキ」

 今回は、そのキャロブパウダーと、アスリートのエネルギー補給でよく使われるバナナを使用した「米粉とバナナのキャロブパウンドケーキ」を紹介します。

 成長期のお子様に必要なカルシウムや鉄が、果実の中では比較的多く含まれているプルーンを入れています。プルーンは腸内環境を整える食物繊維も、水溶性、不溶性共に豊富です。

 主原料の粉は米粉を使い、グルテンフリー。バナナもふんだんに使用して腹もちが良いので、朝ご飯や補食としてもおすすめです。アレルギーのある、なしに関わらず、甘いお菓子が苦手な方には特に試してもらいたいお菓子です。

 また、砂糖の代わりにはちみつを使用すると、はちみつの風味がふんわり残り、味の広がりを楽しめます。その際は水を少し多めにすると良いでしょう。はちみつバージョンも是非お試しください。

【管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子】