ごはんが好きで、なかなかおかずを食べない、おかずが進まないという選手がいます。料理を作る保護者からは「せっかく栄養バランスを考えて料理をしたのに、おかずを食べないためにタンパク質やビタミン、ミネラルが足りているかしら?」と心配する声を多く聞きます。逆に白米が好きでない選手もおり、子どもの偏食や好き嫌いの悩みは尽きないものです。

「食事はバランスよく、主食・主菜・副菜・乳製品・果物をそろえた食事を摂りましょう」とお伝えしていますが、実際は、毎食用意することが難しいこともありますし、用意しても選手が食べないということもあります。選手が食べないと作る側はイライラや、がっかりしがちですが、中高生以上の選手であれば、自分自身で食事を準備できるはず。選手が自分で食べたいと思うものを用意するようにしていきましょう。

スポーツをする上で、自分で考えて行動する、自分で良い環境を整えることは、とても大切なことです。それらはスポーツの場面で急にできるようになるものではないので、日常生活から培うことも必要です。

選手自身も自分に必要な食事を知る

まず選手自身も、自分に必要な食事がどういったものかを正しく知ることが大切です。その上で、食欲が沸かず、おかずが進まなかったら、保護者の方や調理を担当する方にリクエストを出してみましょう。

例えば、ご飯のお供にタンパク質の多いものや副菜になるものを用意してもらう、調理の必要のない一口チーズやヨーグルト、ミニトマトなどを冷蔵庫に常備してもらう、といったように。市販品や調理の手間のかからないものを常備し、選手自身が活用することでも栄養バランスは整えられます。用意されたものを食べるだけではなく、自分で必要なものを食べるといった意識を常に持つことで、選手としても成長すると思います。

今回は「木綿豆腐と鶏むねのシュウマイ」を紹介します。豆腐を使っているので柔らかく、鶏むね肉を使用しているためあっさりとして食べやすいおかずです。蒸し器がない場合は電子レンジで、選手も作れる一品です。お弁当にも適しています。

管理栄養士・田澤梓