鉄は、体内への吸収率が低いことが知られていて、動物性食品に多く含まれるヘム鉄は15~20%、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄は2~5%しか吸収されないと言われています。そのため、貧血傾向のある選手には、ヘム鉄を豊富に含む食品の摂取を増やすこと、非ヘム鉄は、ビタミンCなど吸収率を高める栄養素と組み合わせて摂ることを勧めています。

さらに、鉄の吸収率は1日の中でも時間帯によって違うと言われており、最も吸収率が高くなるのは「朝の運動後の朝食」です。「休息状態での朝食」「運動後の夕方の食事」からの吸収率とも比較しても高いそうです。

つまり、鉄の多い食品を摂取して貧血を改善するためには「朝食前に運動をし、朝食で鉄の多い食品を使った食事を摂る」とより効果的だということです。もちろん、鉄だけを摂取していても、貧血は改善しません。運動量に見合った十分なエネルギーやタンパク質などの栄養素の摂取も欠かせません。

今回は鉄を多く含む牛肉を使った「ビーフサモサ」を紹介します。多めに作って冷凍保存しておけば、朝食に温め直して食べることや、補食にも活用できます。

管理栄養士・田澤梓