段々と気温の高い日が増えてきました。室内にいることが多くても、人は呼吸と皮膚から無自覚のうちに、不感蒸泄(じょうせつ)で体表面積1㎡あたり600mlの水分を、排泄でも最低500mlの水分を失います。

成人における水分出納(注)は1日2Lですが、体内での分泌、再吸収は極めて大きく、水・電解質代謝の中心となる腎臓では1日185L(1分間125ml)もの糸球体ろ過液をつくり、その99.5%を再吸収しています。

体内での水分の役割は生命活動優先

体内での水分の役割は、以下の3つがあります。

(1)体内の物質が化学反応を進行する場
(2)老廃物の排泄や栄養物質の体内の移動、細胞内外の移動
(3)体温保持

脱水が進むと、体温保持よりも生命活動を優先するため、(1)(2)の働きに水が使われてしまい、体温が上昇してしまいます。従って、たとえ大量の汗をかいていなくても脱水症状を引き起こすので、こまめに水分補給することが必要です。

あの気持ち悪さは脱水だった…?

起床後何も飲まず、朝食も摂らずに昼食になって水分をとると、食欲がなくなった。
しばらく飲食をしないまま、急に大量の水を飲むと、気持ち悪くなった。

上記のような症状が出たことはありませんか? 脱水が起こると、喉が渇いたという感覚がなくても、熱中症と同じようなめまい、吐き気、頭痛が生じることがあります。

とった水分量を確認すること

脱水を防ぐためにも、水分の摂取が分かるように1日に何杯飲んでいるかを確認する、もしくはペットボトルや水筒などで事前に作ってある飲料を、どれくらいの時間で飲み終わっているかを確認しましょう。

今回は「タコチャーハン」を紹介します。一皿でタンパク質、炭水化物が補給できます。食事と一緒に水分を補給することも意識してください。

注=摂取する水と体から失われる水の量関係

管理栄養士・田澤梓