スポーツ選手や指導者向けの講習会に行くと「スポーツドリンクは薄めてもいいのでしょうか?」という質問をたくさん受けます。その時にはいつも「その水分補給の目的を考えましょう」と答えるようにしています。

 ラグビーをはじめとするスポーツの現場では、練習や試合中の水分補給のために、水とは別に、薄めたスポーツドリンクを準備しているチームがほとんどです。スポーツドリンクを薄める理由としては、「甘すぎて飲みにくい」「費用がかかる」などが挙げられています。

 練習や試合中での水分補給の目的は大きく分けて

①水分補給
②電解質補給
③エネルギー源補給

 の3つがあります。練習や試合状況に応じて優先すべき目的を考え、さらにコストも考慮してドリンクを準備するといいですね。

 気温が高い中で運動すると、常に発汗し続けるため、水分を補給することが大切です。「甘くて飲みにくい」と感じるようでは、無意識に飲む量をセーブしてしまうかもしれません。このような状況では「たくさん飲める」ことが一番大切なので、水やお茶、薄めた麦茶で水分を補給。そして休憩中や終了後に、電解質やエネルギー源の補給のために市販濃度のスポーツドリンクを意識して飲むと良いでしょう。

ラグビーの試合での水分補給

 例えば、15人制ラグビーの試合では、以下のような水分補給はいかがでしょうか。

試合前…「水分補給+エネルギー源補給」を目的に市販濃度のスポーツドリンクを500ml

試合中…「水分補給」を目的に、水と2、3倍に薄めたスポーツドリンクを選手が好みに合わせて飲めるように準備

ハーフタイム…「水分」「電解質」「後半のエネルギー源」を補給するために、市販濃度のスポーツドリンクを500ml

試合後…「リカバリー」を目的に、市販濃度のスポーツドリンクを500ml

 これらは、1試合40分ハーフの体格が大きい大学や社会人選手の場合です。気温や湿度、年齢や体格、試合時間などによっても飲む内容や量を工夫しましょう。

手作りスポーツドリンク・クリアタイプ(左)と乳酸菌飲料入り

 今回は、家庭でも準備できる手作りスポーツドリンクを2種類紹介します。

 500mlの水に砂糖30gと塩1gを入れると、糖分が5.6%、塩分が0.2%になります。日本体育協会では、運動中の水分、電解質、エネルギー源補給のために腸内の吸収効率等も考慮し、0.1~0.2%の塩分(ナトリウム量で40~80mg/100ml)、4~8gの炭水化物(糖質)量の飲料を推奨しています。

 レシピを参考に、各家庭でオリジナルスポーツドリンクを作ってみましょう。甘味と酸味のバランスを工夫するのがポイントです。100%果汁やレモン果汁を利用してもいいですね。