朝は時間をかけて調理したり、食べるジュニアアスリートも慌ただしく、朝食をゆっくり味わって食べるということはできにくいかもしれません。

 そのため、前回まで2回に分けて、忙しい朝でもしっかり栄養素が取れ、食べやすい朝食についてご紹介しました。ジュニアアスリートの昼は給食、もしくはお弁当だと思います。給食だと量が決まっており、スポーツをするからといって量を増やしてもらえるわけではありません。お弁当の場合も、おおよその大きさが決まっているため、よほど大きなお弁当箱を用意しない限りは、思うように量が食べられていないこともあるでしょう。

 学校で講演をした後に、ジュニアアスリートのお弁当を見せてもらうこともありますが、スポーツをしない子どもと同サイズのお弁当箱だったりして、驚くことがあります。お弁当のお話はいずれ紹介したいと思いますが、今回は朝食と昼食とは異なり、時間をかけていろいろなものが食べやすい夕食についてお話しします。

肉と豆、魚介類と卵でにぎやかに

 料理を作る人も、ジュニアアスリートが好きなものを作ってみたり、「○○が食べたい」というリクエストにも応えやすいタイミングでしょう。夕食では、朝食同様に、必ず筋肉や骨などをつくるタンパク質をしっかり取りたいものです。しかも1種類だけでなく、なるべく複数の食材からタンパク質が取れるようにするのがよいでしょう。肉だけ、といった1種類よりは、「肉と豆」「魚介類と卵」などのように、複数のタンパク質を多く含む食材を取り入れるようにするのです。

 これらの食材にはタンパク質以外の栄養素も含まれているため、多くのビタミンやミネラルなどが取れることにつながるのです。またタンパク質を多く含む食材を複数取り入れることで、食卓もにぎやかになるでしょう。

 さて、今回のメニューをご覧ください。このメニューでは、タンパク質を多く含む食材がいくつ使われているでしょうか?

今回のメニューは、主菜=松風焼き・アスパラとトマトのソテー添え、主食=ご飯、副菜=たことチーズのバルサミコ和え、汁物=ベジタブルミルクスープ、果物=グレープフルーツ

 実は、

豚ひき肉、卵、牛乳、タコ、チーズ、豆

の6種類も使われています。しかも肉や魚介類、乳製品、卵、豆とバラエティーに富んでいることも特徴です。

 野菜についても、ソテーだけでなく、松風焼きの中にもニンジンとタマネギが入っています。野菜嫌いのジュニアアスリートの中には、克服しようと相談を受けたり、頑張って食べようとする姿を見たりします。好きなものに混ぜるとか、細かく切ってわかりにくくするなど、管理栄養士などがよくアドバイスするような克服方法では、逆効果になる場合も多いようだと、アスリートのサポートをしていると感じます。

フードプロセッサーを活用

 ただ面白いことに、同じ細かくするのでもみじん切りにするより、今回のようにフードプロセッサーを使うとすんなり受け入れてくれる場合があります。また、食べる雰囲気も好き嫌いの克服には影響します。勝利の後の食事や、仲のよい友達との食事などで、いつの間にか食べられていたということもよくあります。特にジュニアアスリートの場合は気分で食欲にむらが出やすいため、このようなことにも配慮すると良いでしょう。

トップ選手も好きな「おふくろの味」

 それから、トップアスリートに好きな料理を聞くと、興味深いのがその料理が好きな理由です。実は「お母さんが作ってくれる〇〇がおいしかったから」というのが多いです。決して外食や特定のお店の味ではありません。一見、大人の選手からもこんな理由を聞くと、食事から伝わるものは大きいのだなと思います。

 そんなことからも、心も育つこの時期に栄養素がしっかり含まれた食事が大切なことはもちろん、ジュニアアスリートが食べたい、おいしいといってくれるものを作ることは、これからの食志向にも大きな影響があるのかもしれません。

(指導=管理栄養士・川端理香)

今回の食材・ミニトマト

ビタミンCやリコピンなど、スポーツすることで多く必要となるビタミンが豊富です。大きなトマトとミニトマトを同じ重量で比較した場合、実はミニトマトの方が栄養価が高くなります。そのため、アスリートにはミニトマトの方をよく薦めます。また、いろいろな色のミニトマトがありますが、お薦めは赤です。

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(2017年5月11日付日刊スポーツ紙面掲載)