ファストフードやレトルト食品、冷凍調理食品などの「超加工食品」を日常的に食べている人は、認知機能の低下リスクが高くなる。このほど、そんな研究結果が医学誌JAMAで発表された。超加工食品は、情報を処理して意思決定を行う脳の実行機能に打撃を与え、認知機能の低下に影響を及ぼす可能性があるという。

超加工食品は、「油脂や糖類、でんぷんなどを工業的に合成し、そのままの食材をほとんどあるいは一切含まず、香料や着色料、乳化剤などの添加物を含んだもの」と定義されている。ハンバーガーやピザ、ホットドッグなどのファストフードや、スナック菓子、ドーナツやアイスクリーム、白いパン、炭酸飲料など糖分や塩分、脂質を多く含む加工済みの食品が含まれる。

この研究報告は、ブラジル・サンパウロ大学医学校の研究チームが10年間に渡って、平均年齢51歳の35~74歳のブラジルの男女1万人を対象に追跡調査を行ったもので、1日の摂取エネルギーのうち超加工食品からの摂取エネルギーが20%を超えると、認知機能低下のリスクが高くなるというもの。1日2000kcalを摂取する成人なら約400kcalに相当するわけで、マクドナルドのチーズバーガー1個とSサイズのフライドポテトを食べたら530kcalとなるとして、大きな衝撃を持って受け止められている。

また報告によると、超加工食品の摂取量が最も多い層は、摂取量が最も少ない層に比べて認知機能が低下するペースが28%速くなり、実行機能の低下ペースも25%速くなるという。一方で、自然食品を食べている人は認知能力の低下が認められない傾向が高かった。ちなみに、消費カロリーに占める超加工食品の割合は、米国人が58%、英国人が56.8%、カナダ人が48%に上るという。

調査は、対象者に開始前と開始後に記憶力や認知力、話し方の流暢さのテストを行い、食生活に関する質問をした結果で、因果関係の実証は目的とされていない。それでも、忙しい現代人にとって生活に欠かせない便利で手軽な超加工食品が、肥満や糖尿病、心疾患などの原因となるだけでなく、脳にも悪影響を及ぼす可能性があるという説を裏付けるには十分だと専門家は見ている。

治療法がない認知症は誰もが患いたくないもの。そのリスクを軽減するには「野菜や果物、全粒穀物を豊富に含み、飽和脂肪と添加糖分が少ない健康的な食生活を心がけることが重要」だと専門家はアドバイスする。栄養価の高い健康的な食事を優先することにより、血管をきれいに保ち、栄養素と酸素を脳に最大限に供給することで、認知機能の低下を防ぐことが期待できるという。まずは食生活を見直し、改善することから始めてみるのが良いかもしれない。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】