東京五輪の開幕(23日)に向けて海外の選手団が続々と来日しています。新型コロナウイルスの影響による感染予防対策で厳しい規制がある今大会、選手たちは選手村での食事にも一苦労しそうです。

CNNなど米メディアは「選手村では1人で黙食することが求められる」と伝えています。米選手団は、過去の五輪でも24時間利用可能な選手村のメインダイニングは利用せず、チームが用意する食事を食べていた選手も多かったと言われていますが、今大会はさらに多くの選手が選手村の食堂を利用しない可能性がありそうです。

米選手団は1200万円以上の食料持ち込み

当初、米オリンピック・パラリンピック委員会は、昨年行われる予定だった五輪・パラリンピックに合わせて、選手のパフォーマンス向上と疲労回復に必要な栄養を確保するため、日ごろ食べ慣れている食品を日本に送る手はずを整えていました。重さにして約1800ポンド(約816キロ)、金額にして約11万5000ドル(約1266万円)。試合前後に補食として食べられるグラノーラバーから、アップルソースまで多岐に渡ります。

米五輪選手がお気に入りスナックで持ち込むことが予想されるスナック類。左上から時計回りにチョコ、ビーフジャーキー、ピーナッツバター、プロテインバー
米五輪選手がお気に入りスナックで持ち込むことが予想されるスナック類。左上から時計回りにチョコ、ビーフジャーキー、ピーナッツバター、プロテインバー

五輪では毎大会、選手たちが異国の地で食べ慣れない食事や食材で体調を崩したり、ストレスを感じたりしないよう、開催地に事前に大量の食料を送り、調理担当のシェフも派遣していますが、コロナ禍で延期となったため、それらすべてを貧困に苦しむ人々に寄付しました。今大会も同様の食材を持ち込むものと見られていますが、現時点では厳格な規制のある中でのシェフの派遣や持ち込み食料についての詳細は分かっていません。

選手個人もお気に入りスナックを持参

そんな中、選手たちは最高のコンディションで戦うため、様々な食品を持ち込んで試合に挑むようです。フードやライフスタイルの情報を発信しているdelishによると、過去の大会に出場した多くの選手が手軽なインスタント食品やナッツ、クラッカーなどのスナックを持参しており、中には毎朝のルーティーンを維持するためお気に入りのブランドのコーヒー豆を持ち込んでいた選手もいたと伝えています。

リオデジャネイロ五輪の体操女子で4つの金メダルを獲得したシモーネ・バイルズも、スナックを好んで食べているようです。ほとんどの選手が持参する必須アイテムは、栄養補給ができるプロテインバー。食物繊維やミネラルが豊富なピーナッツバターも過去の大会では多くの選手が持参しており、今大会でも持ち込みする選手が多そうです。

一方でヘルシーな食品だけでなく、時にはプレッシャーやストレスから甘い物を欲する選手もいるようです。体操女子のミケイラ・スキナーや今大会から新種目となったスポーツクライミングに出場するカイラ・コンディは、遠征には米国で人気のチョコレート「M&M’s(エムアンドエムズ)を持っていく」と話しています。自転車・BMX代表のアリーズ・ポストもチョコレートが好きで、「海外遠征の時にはお気に入りのチョコレートを免税店で大人買いするのが楽しみだ」と話しています。

また、スキナーは「タンパク質の補給に手軽なビーフジャーキーを移動中に食べることが多い」とも話しており、今大会でも各選手がお気に入りのスナックを用意して東京に向かうことになりそうです。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】