選手のリクエストは濃いめの味

管理栄養士が同行すると、選手のコンディションによって提供内容が変えられる利点がある。今回は、後半に向けて選手にリクエストを聞いたところ、男女ともに味を濃くして欲しいと希望があった。石村さんは「選手は半袖で競技していて、少し暑そうです。後半は塩分も通常より高めにして、タンパク質もしっかり摂れるようにします」と話した。

今後は、とり飯、牛しぐれ、肉みそなど、タンパク質が含まれ、しっかり味で食べやすいものや、女子に好評だった納豆おむすびも提供回数を増やしていく。具材の量も増やす予定だ。

補食のポイントについて話す管理栄養士の石村さん
補食のポイントについて話す管理栄養士の石村さん

試合当日の補食について

試合前はエネルギー摂取のため糖質をメインにすることがポイント。消化のよい白米は効率の良いエネルギー源で、炭水化物をエネルギーに換えるビタミンB1を同時摂取するとより効果的だ。

「食べるタイミングとしては、試合の3時間前に食べ終わるのが理想的です。早く摂取しすぎるとエネルギー切れを起こし、逆に遅いと消化吸収されないので注意しましょう」と石村さん。

試合後は、素早い疲労回復を意識。失ったエネルギーを回復させるために、なるべく早いタイミングで炭水化物を補給し、同時に筋肉を修復させるタンパク質も摂取することが大切だ。

おむすびに消費期限を明記して提供
おむすびに消費期限を明記して提供

今回のおむすびメニューを考案した石村さんは「豚肉が原材料の肉みそは、ビタミンB1とアリシンが含まれて疲労回復によいですね。梅干し&しそワカメは、ミネラルの吸収を高めるクエン酸が摂取できます。女子選手に好評だった牛しぐれにはタンパク質と鉄、とり飯にもタンパク質、食物繊維が含まれています」と試合前後に摂ると効果的な栄養素が入った具材をピックアップした。

日本代表は7日、男子は香港に圧勝し準決勝に勝ち進んだ。女子はこの日、準決勝の香港戦に勝利し、9日に行われる決勝に挑む。

※■は土ヘンに川