昨今、様々なメディアで“腸活”が取り上げられ、腸のケアへの関心は高まっています。しかし、腸についての正しい知識は、まだまだ浸透していないことが「大腸劣化」対策委員会の調査で明らかになりました。

日本人の死因1位はがんで、部位別死亡数では2003年以降「大腸がん」が女性の1位です。ところが20~60代の男女1000人を対象に行った調査で、そのことを知っていたのは女性自身でも約5分の1でした。

女性の死亡数が最も多いと思うがんの種類はという問いで、最も多かった回答は「乳がん」(44.0%)。「まったく見当がつかない」(20.2%)という人も、「大腸がん」と回答した人とほぼ同数いました。男性も含めた全体で見ても、最も多かったのは「乳がん」(38.9%)で、全体では「まったく見当がつかない」(29.6%)が2番目に多い結果でした。

「大腸劣化」対策委員会調べ

「大腸の環境をよくすると思うもの」では、「乳酸菌」(60.4%)、「食物繊維」(48.0%)を抑え、最も多かったのは「ビフィズス菌」(72.6%)でした。「ビフィズス菌」は「乳酸菌」などと比べて大腸に多く存在し、腸内環境を整える役割をする善玉菌の代表です。最近の健康志向により、多くの人がそのよさを理解していたことがわかります。

一方で、「大腸の環境を悪くすると思うもの」を聞くと、43.6%の人が「食物繊維を摂取しない」と回答。「ビフィズス菌を摂取しない」と回答した人は25.2%でした。

大腸にいるビフィズス菌は年齢とともに減少し、食生活やストレスによっても減ることがわかっています。「ビフィズス菌」が大腸の環境をよくするという意識があっても、摂取しなくてはならないものと認識している人は少ないようです。

「大腸劣化」対策委員会調べ

大腸のケアに重要なのは「乳酸菌」と「ビフィズス菌」のどちらであるかという問いでは、「ビフィズス菌」と正しく回答した人は33.6%。「乳酸菌」との回答は30.5%で、「わからない」の35.9%を含めると7割弱の人が誤った認識をしていました。

現在腸活を実施している人でも、「ビフィズス菌」と回答できたのは39.3%。半数以上の人は、大腸ケアに重要なのが「ビフィズス菌」であることを知らずに腸活をしていることがうかがえます。

「大腸劣化」対策委員会調べ

「ビフィズス菌」と「乳酸菌」は、それぞれ菌の特徴、棲息場所や役割などが大きく異なりますが、70.8%の人が「ビフィズス菌」は「乳酸菌」の1種だと思うと回答しており、多くの人が「ビフィズス菌」と「乳酸菌」を混同していました。

「大腸劣化」対策委員会調べ

大腸を好環境に保つのに欠かせない物質として近年、研究者の間でも注目度が高く、様々な働きがわかってきているのが「短鎖脂肪酸」です。しかし、「短鎖脂肪酸」が大腸の環境をよくすると回答した人はわずか7.8%でした。

「大腸劣化」対策委員会調べ

腸内細菌はそのほとんどが大腸に存在し、ビフィズス菌に代表される善玉菌が優位であることが、腸内環境を良好に保つと言われています。近年は、腸内環境と全身の健康状態、さらには脳や神経の状態との関係も明らかになり、その重要な役割から「大腸は全身の健康の要」と言っても過言ではない存在になっています。

大腸の健康を保つためにはまず、腸に関する正しい知識を持つことが重要といえそうです。