<岩手のヒミツに潜入(2)>

マリナーズ菊池雄星投手(28=盛岡市出身)にエンゼルス大谷翔平投手(24=奥州市出身)そして大船渡3年・佐々木朗希投手(17=陸前高田市出身)。なぜ岩手県は突然、続々と日本を代表する大物投手を輩出し始めたのか。半年間、佐々木関連の取材を進めるうちに浮かんだ1つの仮説「早寝」を、さまざまな角度から検証する。

総務省統計局の「平成28年社会生活基本調査」によると、岩手県は睡眠時間ランキングで全国4位(平均睡眠時間7時間54分)。夜更かしランキングで同45位(平均就寝時刻22時43分)で、早起きランキングでは同1位(平均起床時刻6時17分)に立っている。

平成28年社会生活基本調査結果より

なぜ早寝早起きか。県土の広さも関係する。岩手県は北海道に次いで全国2位の面積を持ち、四国4県に迫るほど広大。山岳・丘陵地帯も多く、移動距離・時間が長くなる。特に大船渡や宮古などの沿岸都市は、東北新幹線や東北自動車道が走る内陸に出るだけでも1時間半~2時間かかる。

グラウンドの関係で遠征の練習試合が多い大船渡野球部は、早朝5時に集合、出発することも少なくない。木下大洋外野手(3年)は「週末になると自然と4時に目が覚めます」と笑った。今春以降も仙台、秋田など片道3時間超の遠征をこなしてきた。

移動手段はバス。保護者たちも、よく自家用車で遠征の応援に訪れている。決して強制でなく「子どもたちについていろいろな場所に来られて、ついでにみんなで名物を食べたりしていますよ」(部員の父親)とむしろ楽しんでいる。

早起きが必要だから、早く寝る。広い岩手県ならではの生活スタイルだ。

(2019年6月27日、ニッカンスポーツ・コム掲載)