昨年度、22年ぶりにラグビーの大学日本一に輝いた明大ラグビー部の強さの源、寮のご飯は「おいしい」と評判だ。副寮長を務めるFL高橋広大選手(3年=桐蔭学園)は「何でもおいしい。味もそうだけど、おかずの種類も豊富」と笑顔。1年生のSO土肥恵太選手(秋田工)は「魚が嫌いだったけど、おいしいので食べられるようになった」と話した。

献立作りで、管理栄養士の山田優香さん(46)がこだわっているものの1つに、「1日のうち必ず魚メニューを入れる」がある。小骨がついた魚を食べない若者が増えている昨今、給食会社松美屋のスタッフ陣が食べやすく調理することで、苦手を克服できた選手もいる。

グラウンドで練習を見ながら、スタッフ陣と会話を交わす山田さん(左)

調理責任者の川村欣也さん(43)によると、選手に人気のメニューは以下。

<明大ラグビー部の寮めし人気メニュー>
朝食:鶏の唐揚げ
昼食:明太釜たまうどん
夕食:牛ステーキ、豚の塩こうじ漬け、カレイの煮付け

めったに出ない揚げ物の中でも、衣薄付き完全手作りの「鶏の唐揚げ」は大人気。「牛ステーキ」はその場で焼いて、カットしてから1人ずつ提供するので、献立表を見て楽しみにしている選手たちは、5分前から行列を作って待っているのだという。また、「カレイの煮付け」は魚メニューの中で最も人気が高く、「夕食でカレーの煮付けを提供する日は絶対に余りません」と山田さんが太鼓判を押すメニューだ。

練習で激しくプレーするFW陣

逆に人気薄なのは煮物。「どうやったら食べてもらえるか、他のスタッフと一緒に、味や出し方を随時研究しています」と川村さん。肉じゃがは、しょう油を焦がして牛丼に近い甘辛い味にしてみたら、よく食べてもらえるようになったという。寮のご飯がおいしいのは、こういった「愛情のトッピング」があるからかもしれない。

松美屋の調理責任者の川村さん

松美屋は、世田谷区・八幡山にある明大合宿所の食事をすべて請け負い、ラグビー部のほか、同じ第2合宿所のバスケットボール部、ホッケー部、自転車部、ハンドボール部、第1合宿所の陸上部、アメリカンフットボール部、アイスホッケー部の食事も手掛けている。第2合宿所は朝5人、昼4人、夜5人でシフトを組み、アスリート食を毎食約150食作っている。

川村さんもクラブチームでプレーする現役ラガーマン。4年前にこの厨房に来たため、特に今の4年生への思い入れが強い。「今年は、より学年の垣根がなくなり、明るくていい雰囲気になっています」。毎日の食事作りで、チームを全面バックアップしている。

選手に人気の夏野菜カレーがメインの夕食献立。FW選手がチョイスしたもの

<ある日の夕食の献立と栄養価>
【献立】
夏野菜カレー(ご飯400g)、豚ヒレカツ40g×3個、ツナとブロッコリーのカレー炒め、クラムチャウダー、野菜サラダ+ノンオイルドレッシング、納豆、フルーツ(この日はブドウ)、ヨーグルト、100%オレンジジュース、低脂肪牛乳
※やや脂質多めながらも鉄を強化したメニュー。
【栄養価】
エネルギー=2049kcal、タンパク質=94.0g、脂質=68.7g、炭水化物=255.3g、カルシウム=590㎎、鉄=7.3㎎

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