楽天松井裕樹投手(23)にとって、雪辱のシーズンが始まった。

守護神の座をハーマンに譲り、2軍落ちも味わった昨季。抑え転向から3年連続でクリアしてきた30セーブに遠く及ばない5セーブにとどまった。オフは、ほぼ無休。宝刀スライダーは曲がりを抑えた高速タイプに改良する一方、緩急をつけるカーブへの意識も高めてきた。

守護神奪還を狙う楽天松井
守護神奪還を狙う楽天松井

自ら「どん底」と表現する2018年は、開幕戦の9回に追いつかれて始まっていた。くしくも、ビジターのロッテ戦という同一カードで幕を開けた今季。3月30日の2戦目、6点リードの9回に初めてマウンドに上がると、ストレート、スライダー、チェンジアップと全て違う決め球で3者連続の空振り三振に仕留めた。「楽な場面で上げてもらった。これから厳しい場面で上がった時、強い気持ちで相手を上回っていきたい」と一切表情は緩まなかった。

昨年12月に女優石橋杏奈(26)との結婚を発表した。「(18年は)打たれる姿ばかり見せてしまった。勝利の瞬間、マウンドに立っている姿を見てほしい」。チームの栄養士に自ら会いに行ってアスリートの食事について勉強してくれるなど、多忙な仕事の合間を縫ってサポートに尽力してくれる愛妻に感謝してやまない。

本拠地開幕戦となる2日の日本ハム戦は、3点リードの9回、今季初となるセーブシチュエーションでの登板だった。自らの失策も絡んでピンチを招き、1点を失った。悔しさいっぱいの今季初セーブも、リベンジの糧になる。【楽天担当 亀山泰宏】

(2019年4月5日、ニッカンスポーツ・コム掲載)