都内の中高一貫校、安田学園中の軟式野球クラブが今年から食事改革に取り組むことになり、このたび1、2年生の選手、保護者計40人が参加してスポーツ栄養セミナーを受講した。

 年間4回行われる予定の講座。第1回は、成長期のアスリートの食事の基本がテーマ。「しっかり食べる」「試合期の食事」「自己管理」の3つの柱に沿って約1時間、座学を受けた。

スポーツ栄養講座に真剣に耳を傾ける参加者たち

 講師は管理栄養士の古池(こいけ)久美子さん。参加者と同世代の球児をもつ母でもあり、桜美林大アスリート寮の栄養サポートや高校野球部、中学硬式野球チーム・軟式野球チームの栄養指導をするなど、スポーツ現場での経験は豊富だ。

 必要な食事の量は目で覚える、試合3日前から糖質中心の食事、コンビニで食事を購入する時のポイント、継続するにはハードルを上げすぎないなど、中学生に分かりやすい言葉でテンポよく講義を進め、選手も保護者も必死でメモをとっていた。

講義を行った管理栄養士の古池久美子さん

 参加者の大半が、スポーツ栄養講座を受けるのは初めて。「補食」という概念には大きくうなずき、「中学生は体格差がある時期。体を大きくさせたいあまり、無理やりどんぶり飯を強要しても、過剰な糖質摂取は骨の生成を抑制することも。バランスの良い食事や回数を増やすなどの工夫が大事」と説明された時には、どよめきが上がった。

巨人阿部の母校、センバツ出場も

 安田学園といえば、高校は巨人阿部慎之助捕手の母校で、2013年には選抜高校野球にも出場している。

第1回スポーツ栄養講座には選手と保護者が参加した

 中学も、16年の私立中学大会優勝や17年墨田区秋季大会準優勝といった実績を持つが、14年に男子校から男女共学になるなど学校が変革期を迎える中で、部活動が「中高一貫」とは言い難い。「6年間での強化を考えるには、食事による体作りから」と保護者からのリクエストを篠原一紀顧問も受け止め、この日の栄養講座に至った。

 最近、食事にも気を付けるようになったという捕手の石見(いわみ)海洋主将(2年)は「試合前の食事がプレーに影響することを知ったので、開始3時間前までに、しっかり食事するようにしたい」と印象に残った話を挙げた。小沢勇太副主将(2年)は「体重をもっと増やしたいので、1度に食べられないなら、回数を分けて食べれば良いんですね」。スポーツと栄養の関係を初めて知ったという大塚蓮選手(2年)は「普段は牛乳とカップラーメンが好きで良く食べる。プロテイン(飲料)でなく、牛乳でも筋肉をつけられることが分かった。でも、カップラーメンはやめられない」と話していた。

「食事が大切だと分かった」と口にした(左から)小沢選手、石見選手、大塚選手

 講義の後、保護者による質問タイムは約40分にも及んだ。古澤宝士(たかと)選手(2年)の母裕美子さんは「これまで補食を持たせていなかったので、持たせないと。勉強になりました」。成田広志選手(2年)の母美蘭さんは「息子は少しポッチャリしていてスリムになりたいというので、親がやっていた糖質オフをやらせていた。ジュニア選手にとってご飯は大事なんだと知ることができて良かった」とこれまでの食事内容を反省しつつ、内容に満足そうだった。

 食の意識改革をすることで今後、安田学園中がどのように変わっていくのか。注目していきたい。【アスレシピ編集部・飯田みさ代】