<期待の新商品>
免疫力を高めるには、発酵食品の摂取が効果的だとされています。その中の食品の1つが納豆。従来の納豆の1.5倍の免疫力アップ効果があり、花粉症予防、症状の緩和が期待される商品が、来春にも発売される見通しです。
おかめ「納豆サイエンスラボ」第1回メディアセミナーがこのたび、都内で行われ、「スーパー納豆菌」の研究結果が発表されました。
納豆の歴史は古く、縄文時代の終わりごろにはすでに、そのようなものが食べられていたという説があります。納豆を作り出す納豆菌の発見は明治時代の1906年、80年代に血栓を溶かす酵素「ナットウキナーゼ」の発見により、一躍脚光を浴びました。
納豆菌は、わらや枯れ草、土の中など、日本中どこにでもいる菌です。原料の大豆と一緒に発酵する過程で、双方の持つ健康成分を増やしたり、ナットウキナーゼや股関節の骨折予防に効く「ビタミンK2」といった、特有の健康成分を生み出したりしています。
また、一概に納豆菌といっても種類の数は底知れず、現在も新たな菌が発見され続けています。納豆研究のパイオニアのタカノフーズが自社で採取し、保管している菌数は約2000株。「納豆をやわらかくする納豆菌」「甘みを残す納豆菌」「強い粘りやうまみを作り出す納豆菌」「なるべくにおいを発しない納豆菌」などを見つけ、それぞれ商品化しています。
2005年から免疫に対する機能性研究に取り組み、その中で発見されたのが「スーパー納豆菌」のS-903納豆菌。免疫に対する機能性がこれまでの納豆菌に比べて1.5倍も高く、動物やヒト実験で、インフルエンザ予防、花粉症などによる鼻炎症状を改善させる効果が示されたといいます。
間もなく花粉症の季節。今夏も猛暑日が続いたため、来春の花粉飛散量も大量であることが予想されます。スポーツ選手の花粉症患者も年々増えていて、五輪候補選手の約4割が罹患しているそうです。ドーピング問題もあるので安易に薬は使えず、集中力やパフォーマンスダウンにもつながります。
こんな話を聞けば、すぐにでもスーパー納豆を試したいところですが、今のところ、S-903納豆菌が含まれたものは商品化されていません。来年2月を目標に、流通できるよう調整を進めているそうです。
とはいえ、今ある納豆菌そのものも免疫力を高め、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー抑制効果があるといいます。納豆菌は、人間の腸内に常在菌として長期間棲み着くことができないので、継続して食べることが必要です。日本の伝統食品を見直してみてはいかでしょうか。
タカノフーズ保有株として903番目に登録。納豆菌の学名「Bacillus subtilis」のsubtilisの頭文字Sと、身体の働きを応援するsupportのSをとって名付けられた。発明の名称を「免疫に対する機能性を高めた納豆及び抗アレルギー用組成物」として2007年に特許出願し、12年に特許登録されている。